これまでは、玉ねぎの種を蒔いてもうまく育たず、あわてて買った苗は時季外れの売れ残りで死にかかっていたりと、なかなか思うようにできなかったタマネギ栽培の初段階。
今年は苗作りから始めて植え付けまで、初めてトラブル無く進行でき植え付けまではほぼ完璧(と自賛)。たまたまではなく一つひとつをよく考えて進めたことの成果と思い、貴重な経験なので詳しくまとめておこう。
種まきから発芽まで
タマネギの種まきは適期が僅か数日に限られるので、ここが一番緊張するところ。
9月26日に種袋2袋分(合計10㎖)使って、およそ150㎡の畝に全部蒔いた。
残暑がまだまだ厳しく蒔いても育つかと不安だったが、種の袋に書かれている時期を守ることがタマネギ栽培の鉄則と肝に銘じ、実行。
今年選んだ品種は「泉州中高黄」で中晩生。ごく普通に売られている品種。
播種適期は9月末。蒔いた日は9月26日。
播種の2週間ほど前に元肥(鶏糞と熔リン)をすき込んで、播種当日は蒔き溝を付けたらしっかり水を撒いておく。畝の縁は崩れないようしっかりとジョレンで押さえておく。
落ち着いたら種を蒔き、乾燥防止にべた掛けシートを掛けて更に強い日差しを避けるため寒冷紗(黒)を張った。
今年は特別に暑かったので念のための処置だったが、そもそも平年でも適期とされる9月下旬は適温の20度前後にはなっていないので、地蒔きするには必要な措置なんだろう。
プロの畑と思われるところで、8月だったけれど、地面から10cmほどの位置に広くヨシズが張ってあったのをチラと見かけたことがあった。車で通りすぎたので葦簀の下に何があったのかを確認まではできなかったが、時期と場所(浜松市雄踏)から推測して早生のタマネギだったと思える。
あの光景がヒントになった。
これは↓今回私がやったこと。
この後適量の雨が降り、種にとっても私にとってもラッキー。
5日目から発芽開始で7日目にはほぼそろった♪
ヘアピンのような形の細いねぎが土を割っている。
この段階でべた掛けシートだけを外した。
発芽までは水が必要だが、発芽後は乾燥ぎみがいいのでもう不要。
上手く発芽でき、まずは最初のポイントをクリアできた。
この頃もまた数日の雨、まるで頼んだかのようないいタイミングだった。
定植までの管理
間引きは、結果として1回だけ、あとは2~3回の追肥をしながら植替えできる大きさになるのを待った。
いつの間にか大きくなっているけれど、よくみればまだ十分な大きさにはならず、まだかな?もうちょっとかなと落ち着かない。
10月末、長さは十分あるように思うが、まだ太り足りない。あと一息。
それに説明によれば、種まきから55日くらいが定植の目安とある。それならまだまだ。
11月中頃から葉先が少し枯れてきて、適期かなと思う。でも〈鉛筆より若干細いくらい〉の太さにはちょっと足りない。
苗を大きくし過ぎると、トウ立ちしたりそれが基で腐ったり・・と後で問題が起きることは経験済み。小さくてもそれなりの大きさでできるらしいので、じゃ、そろそろ定植にしよう。
蒔いた種は1本の落ちもなく(数えてはないけど)きれいにできた。素晴らしい!
これで第2段階のポイントもクリアした。
いよいよ植え付け
11月16日だった。いつもよりやや早い。
これはサイズ別に抜いてみたサンプル。
(背景のコンクリートブロックの縁の長さは40cm)
良しということで、苗を全部移植ゴテで丁寧に抜き取って浅く水を張ったバケツに入れる。
根をバケツの水で降り洗いしながら絡みをほぐし、50本ずつの束にしていった。数えたら定植にちょうどいい太さの苗が650本、ちょっと小さ目が約200本、全部で850本だった。
私がこの作業をしている間に夫が予定の畝に水やりをしてくれた。
ホースの先に穴の開いた塩ビ管が付いたものを畝の中を移動しながら水を入れていくのに結構な時間がかかり、一人で抜き取りと水やりとを兼ねるのは難しかったので、助かった。
土が落ち着いたところで、細長い竹竿などを使って列を決め擁壁のブロックも利用して間隔を測りながら40cm幅の畝に10cm間隔で4列植えた。
が、その前に根と葉の処理方法で少々もめた。
根と葉の始末
植えるにあたり根をどう始末したらいいか?
a 根をまっすぐに伸ばして植えた方が根にとって負担が少なく、より早く活着できるという考え方が一つ。
b 長い根は切って植えることで新しい根が出てくるので苗にとってその方がいい、という理屈。
新しい根がでてそれが活動し始めるには時間がかかるような気がするので、aを採用したい。
が、10cm以上もある根をまっすぐ伸ばして埋められる穴を作るのは不可能。
粘性のある土なら可能かもしれないが、この畑は砂地。土(砂)が思うようにならない。穴をあけたり畝を立てようとしてもすぐに崩れてしまって作った形を維持できないのだ。
従って可能なやりかたとしては、できるだけ深く穴をあけて、根は切らずに折りたたむか中でグルグルとトグロを巻かせるかして、葉の分岐部に土が掛からない深さで、白い部分だけを埋める。
崩れる分も考慮して、鎌の柄を使って直径2cm位で深さは3~4cmの穴を作り植えていった。
葉の始末は・・
c これもより早く新しい葉を出させるには古い葉は切った方がいいとする説。
d プロはそんなことしていない。余計な手間だ。
と二手に分かれた。
植え付け後そのままなら、dにしたかった。もう日が落ちかけてきたし・・
気温が高い上に水保ちの悪い砂地なので、植え放しは危険だから日よけ(兼風よけ)工作はした方がいいとなると、現状の場所ではまたべた掛けシートになる。葉に触れないように高く持ち上げるような工作はできないので、じゃぁ砂地の畑に植える分はネット下で閊えてしまう分だけ葉を切ろうとなった。
はい、これが葉を切って植えた苗。
葉を切らずに植えたのはこちら。
よく見る姿です。
なるべく理に沿った方法を採りたいが、そうすっきりとは渡っていけないのが現実。
〈家庭菜園なんだから〉で落ち着かせてしまう。
これを書いている時点ではもうすっかり根付いている。
根付くまでは3~4日置きに水やりをして枯らさないよう気を配った。その後は何日も雨が無くカラカラ陽気が続いているが、タマネギは根付いてからは乾燥には強いのであまり心配はしていない。
後はこのままじっと春を待つだけ。