2024年12月12日木曜日

実生苗と接ぎ木苗 ピーマンを比較栽培

 実生苗とは
土などに直接種を蒔いて作られた苗で、親やその先代などの形質を継いだ野菜が出来上がる苗のこと

接ぎ木苗とは
作りたい植物の枝や茎を全く別の植物の茎や枝に接いで作られた苗のことで、元の苗の弱点を補う目的で作られます。

最近のホームセンターで売られている苗には高価な接ぎ木苗が多くなっているので、効果がどれくらいのものなのかを知りたく、ピーマンの実生苗と接ぎ木苗とを同じ条件で実際に作って、比べてみました。

接ぎ木の特徴と言われること
台木となる木はそもそも総じて強いものや縁が遠いものを選ぶので、出来上がった苗木は病気に罹りにくく、連作障害に強く、生産力もあるといいことだらけ。
ただ、接ぎ木とうい技術が簡単なことではないので苗木の価格が高くなってしまう。

実生苗の特徴
接ぎ木苗の裏面的要素となるのですが、病気や虫害に罹りやすく、連作障害も現れやすいということになります。
結果を見るまでもないのは苗の値段で、接ぎ木苗は実生苗のほぼ3倍でした。

では実際に栽培してみての結果はどうだったか?
育てた条件(場所、施肥量など)は同じです。

・木の勢いは、全期間を通じて見た目は一緒でした。

・病気 病的な症状はどちらにも確認できませんでした。
草勢はそれなりだったのですが、葉も実も通常の半分くらいの大きさにしかならなかったのです。病気ではなく生理障害ではと思われますが、双方同じ状態だったのと元々ピーマンは病気には罹りにくいようなのでこの件については取り合えず無視します。

・虫害 どちらもなし

・生産量
成り始めから11月末までの収穫量を記録してみました。
同じ日に植えて、11月末に同じような状態で枯れかかっています。

実生苗


接ぎ木苗

収穫量(生産量)は感覚的にはほぼ同量と思いましたが、集計してみたら50個の差がありました。

接ぎ木の方が50個多く収穫できたのでした。
苗の値段は約200円高かったのですが、収量は50個多かったのです。

ここで今回の結果は、”接ぎ木の勝ち”と出ました。
これは我家でのピーマンのことです。

かつての経験で、夏野菜のトマトやキュウリを接ぎ木で育てた時にはほとんど差が無かった経験もあるので、全く納得はできなかったのですが。

狭い畑で毎年同じものを作りたいとしたら、比較の余地も選択の余地も無く連作に強い接ぎ木苗になるのでしょう。

2024.11.26


2024年11月24日日曜日

収穫期前にスが入ったダイコン

2024.11.24

スが入った原因

 9月初旬に種を蒔き育てておよそ80日。
時間的にはそろそろ収穫しても良さそうな時期だったので使い始めた。

1本目は根茎がおよそ450gでアンコ型。
大きさとしてはまぁこんなもの。


3本目くらいにスが入っていた。

! ?


この時期で取り遅れであるはずはない。

どうしたの?

ダイコンがス入りする条件は
・収穫の遅れ
・植付けの間隔が広すぎ
・土壌が湿っている
・チッソ肥料が多すぎる
などだと。

当てはまるとしたら「チッソ過多」。
うちの場合主なチッソ肥料は鶏糞でやっている。

記録を見返して驚いた。
計算ミスに気付かず桁違いの量を入れた、、のだった。
う~ん、いよいよ始まったかなぁ。

毎年のことだから、覚えていなくともチラと過去の記録を見て?と思わなかったのかな。

こうなってしまったら、どうしたらいいか・・

対処

ー煮物用ダイコン①ー

煮物用の「おでんダイコン」
美味しくないと思いながら仕方なく家庭で食べはじめ、畑に残っていたのは2本。

調べた結果
そのまま食べるなら、おろしで。

つまり加熱より生ならなんとか、ということ。
それもたぶん味は良くないだろうけどね。

保存は、いっぱいあるなら一旦抜いてから(たぶん)葉は取って畑に寝かせて埋める。
(適期に収穫したあと春まで保存する場合と同じ)

今回のような量なら、冷蔵庫でなるべく乾燥しないように新聞紙とポリ袋で包装しておけばとりあえず使える、らしい。


ー漬け物用ダイコンー
今年はタクアンを作ろうと思い立ち「つけものダイコン」を蒔いてみた。
10本分蒔いて9本がまだ細いけど見た目健全に育っていた。

が、これも「おでん」と同じ計算で元肥を使っていた。
1本を抜いてカットしてみた。

完全に出来上がった大きさではない。






やはり穴があくまでにはいたらなかったが、状態は同じだった。
ということで原因は施肥量であると確認できた。

ダイコンとしての味は完成してはいないだろうけれど、放っておけばアナだらけになる。
という推測で、すぐにタクアン作りを始めることにした。

抜き取っていきなり吊るすだけの簡単な作業。
吊るしの装置や材料はタマネギ用設備が使えるので取り敢えず短時間で済んだ。

葉がバリッバリッで大根が見えないが、振り分けで吊るした8本です。


干した後の仕事内容はこれからゆっくり勉強する予定。

(余談)
この時ダイコンは土付きのままだ。洗うことで腐りやすくなるから。
タクアンて、食べる直前まで洗わないのだねぇ。

ー煮物用ダイコン②ー
もう1種類、年明け以降に収穫予定の晩生種もある
上記2種と同じ畑に作っている。

違いは種を蒔いた時期。
元肥を混ぜ込んでから40日後と50日後に種まきをしているので、蒔いた時には既に肥効は減少していたのでは、と(都合よく)考えている。

今はまだ10枚ほどの葉がロゼット状に広がっている状態。


当初は、時間経過で流れたと思われる肥料分は発芽後に追肥で補おうと考えていた。
で、これについてはしばらく放任して見守ることにする。







2024年11月15日金曜日

ダイコン虫害は芯があれば復活できる

 ダイコンは害虫が付きやすい野菜のひとつ。
小さい苗の頃は針のような穴が空き始めたと思う間もなくあっという間にレースになる。

この地では普通は9月頃に種を蒔くので、アブラムシ、ハムシ、カブラハバチ、アオムシ、ヨトウムシ・・・実に賑やかだ。

実はこれらはあまり神経質に退治しなくても大丈夫。
必ず除去しなければいけないのは、俗称シンクイムシと言われるハイマダラノメイガ。
気付かずにいるとこうなってしまう。

ハイマダラノメイガ害のダイコン

ブロッコリーの葉にいたハイマダラノメイガ

芯をやられたダイコンはその大きさにかかわらず諦めます。
さっさと諦めて、まだ蒔くことができる時期なら蒔き直します。

芯の被害はなく、葉が食われてボロボロになったダイコンはそもままじっと見守ります。
不安になりますから、とりあえず忘れましょう。

今年の経験から
10月18日 発芽から4日後のダイコン、犯人は不明ですがもう葉がぼろぼろ。


16か所中の3か所がこんな具合でした。
蒔き直そうと種の袋を見て適期を確認し、11月4日に脇に蒔き直し、そのまま忘れていました。

1週間後全部発芽していることに気づきました。
そしてその脇にはすっかり健康を回復した元気な苗がいました。



さすがに大きさは間に合わなかったようです


7月頃の畑でしたが、近所の無農薬栽培の大根が虫害でひどい状態でした。
これはダメだろうと思いつつ忘れました。

時期は忘れましたが、気づいたら立ち直っていたのでびっくり。
後日(最近)栽培者の91才さんに伺ったところ、「芯がやられなければ大丈夫だよ」とのこと。

来年からは大根にネットを掛けるのは止めよう。







2024年11月6日水曜日

白菜栽培は虫との闘い

2024.11.06

白菜は防虫ネットを使って育てている。
毎年同様にしている。

土の中に殺虫剤をすき込んでから種を蒔いたり、苗を植えると同時に防虫ネットで保護しているにもかかわらず発芽後わずか3日で葉に穴が空き始める


土の中の防除がうまくいかないのか、ネットに問題があるのか?
わかる範囲の、できる限りの防虫手段は取っていても次々とイモムシの仲間が現れる。

順調な株は芯が立ちあがってきた今、イモムシににらまれた株は痛々しい姿に。


こんな株には複数のイモムシ(ヨトウムシ、アオムシ、メイガなど)が潜んでいる。
いる場所は小さな葉が重なりあっている芯のまわり。

黒いウンチと透明な黄色い固形物・・黄色い方は卵?・・のあるところには間違いなく大小幾匹ものムシがいる。

みつけたらピンンセットでつまみ出して水を入れた容器に入れる。
1匹ずつ踏みつぶすよりこの方が効率がいいです。

これを2~3日置きに繰り返す。

見逃したまま葉が巻いてしまうと、中でいいように食い荒らされ、完成したように見える白菜を切ってみてびっくり。

だから今は手が抜けない。
頻繁にネットをはぐっては手で虫取りを繰り返す。
大変な作業になる。

ようやく朝の気温は下がってきて、秋空がみえてきた。
さて、今年はどんな白菜になるのだろう。

昨日の夕方、百羽の上と思われる大きな隊列を組んだ鳥の群れが西の空に向かって移動していった。
実にきれいな形を描きながら、みんなでどこを目指していたのだろう。








2024年11月3日日曜日

ダイコンの防虫ネット効果

2024.11.03


今年のダイコンは4か所の内の1か所だけはネット無しでやってみようか。

というのは
ハクサイの育苗ですったもんだの結果、手持ちの防虫ネットが足りなくなってしまったから。つまり直接的には「農園主の都合」なんですね。

設備を増やしてやるか、このままでやってみるかと宙ぶらりんの気持ちのままに、何もせずに発芽後2週間程経ったのがこれら。




全部がこんなじゃないのですが、やはりすごい。

引き換え播種後すぐに防虫ネットで覆って育て40日程経ったのがこちら。



ここまで差が付くと無防備での栽培はあまりに乱暴、人でなし!と言われそう。

でも近隣での現実は、防虫ネットを使って大根を育てている畑はほとんど見ない。
もちろん!農薬の使用なんてトンデモナイらしい。

幼葉の頃は穴だらけのボロボロだったダイコンが結果としてそれなりのものが収穫できているようでちょっと驚いている(収穫時の大根を見たことはないが、毎年同様な様子はみているので)。

葉の虫害はダイコン自体には響かない、ということなのか?

ネットを使ってまで手をかけなくても家庭で食べる程度の質のものはできるんだ・・
あまりネホリハホリ尋ねられないから想像だけど、予め「ある程度落ちる」のは計算済み、かもしれない。

素人が作る作物だもの・・

家庭菜園だけど、作り続けるなら「より良く」と欲張るのは凝りすぎ?

深くも尋ねられずに納得いかないままで曖昧なまま進むのは、無駄な時間を費やすことになる。
ならばどんな結果になろうと、今年はネットなしでその結果を見てみよう。

ネットを掛けなければ管理(病虫害のチェックなど)が楽。
そこに魅力を感じるから、これはこのまま進めてみようか。

農薬は予防的な使い方としての、播種時のオルトラン(既に地中にいる虫を死滅させる)と発芽後のデナポン(ネキリムシ対策)は使います。


昨年はいつまでもネットを外さないでいたら、アブラムシの大群に襲われて結果は大失敗。
ネット内で旺盛に繁茂した結果風通しが悪くなり、アブラムシを呼んだようだ。

               これはその時の画像 ↓


ネットがあることにより中の様子が見えにくくなったことは デメリットとなる。

それに懲りて今年は10月中頃にはネットを外している。
既にかなり成長していたのでムシに対する抵抗力も付いているのか、今は大きな虫害はない。







2024年11月2日土曜日

インゲンのハモグリバエ被害 葉の除去で対処

 2024.11.02

インゲンの葉に穴が空きその部分から枯れてきた。

下部の葉が枯れてきて

虫が這いまわった後がわかる

ハモグリバエの仕業だ。

秋のいんげん栽培は初めて。
種を蒔いてほぼ2か月で、細いけれど完成し少しずつ収穫ができている。

今のところ細めのエンピツ(そんなものある?)ほどの太さで、秋作はこんなものかと。

サヤ生育中

日々の食生活の中では、必需品ではないがあれば料理の見栄えが良く、ちょっと欲しい野菜だ。
買えば高いのであると嬉しい。
収穫は短期間だけれど、冷凍保存ができるので尚便利。

この害虫はハモグリと言われるように葉の中に潜り込んで活動し、彼らが這いまわった跡は葉の表面は幼児がお絵描きしたように見える。

直接実(サヤ)には影響しないようだが、潜って移動しながら産卵を繰り返すと。

被害が小さいうちは通り道の先端部を指で潰すことで殺虫できる場合もある。
やってみたけれどこんなにいっぱいの痕跡を潰したら葉はボロボロになること間違いなし。

葉を食べるネギに入られたら市場には出せなくなるので厄介だが、とりあえず食用外の葉だけ。

で、考えた。
もう葉にはかなり被害が出ているけれど、主に下の方の葉。
ならば被害の葉を除去してしまったらどうか?と。

ツルが出て上に伸びているので、下の古い葉は取ってしまっても上部の葉が頑張ってくれるのでは。キュウリなどはその手で生き延びて生産してくれる。

葉の多くが被害にあえば収穫の成績に響いてくるでしょう。
取り敢えず下の方のお絵描きされた葉っぱはもぎ取ってみた。

今後はよく観察してまだ広がるようなら薬という手段も仕方ないか。





2024年10月30日水曜日

ハクサイ作りのドタバタ☆☆☆ハクサイ育苗その後

 2024.10.30

今年の夏は異常高温が続いて、種まきのチャンスに悩んだ。
特にハクサイ。

結果として3品種を育てることになり、今はどれも順調に生育中。
まず8月13日に3つのポットに蒔いたのが「郷秋60」で、それの今の姿がこれ。


播種3日後に合計5本の芽が出た。
この温度で播種後3日で発芽、ヘェ~と思う。

9粒蒔いて5本の発芽はちょっと引っかかるが
まぁこれは今回は目をつぶろう。

この頃の気温は毎日最高35℃以上、発芽適温(20~25℃)を大幅に外れていても揃ってスッと出た。日陰に置いた小さなビニールポットの中の土の温度ってどうなのかな?

大体出るものは出たところでお日様の下にデビューさせなくては。
防虫ネットと黒い遮光ネットでWネットにしてたハウスのような構築物を被せて外に置いた。

(この後の記録がしばらく無く、思い出しながらの書き込みとなる)

この白菜は何とか定植できるまで漕ぎつけ、予定地に9月20日に6株を植えることができた。


次は「豊作祭り」
今年新たに買った種。


蒔き時は8月中旬~9月上旬で適温範囲は20℃~25℃。
当時の気温はお盆頃とほとんど変わらず。

気温を考えて気持ち程度に遅らせて、9月1日に8ポットに3粒ずつ蒔き3日後には全部のポットで発芽した。

やはり防虫ネットと遮光ネットで防御して外へ。

この先が苗づくりに四苦八苦となる。

やっと形を保っている「郷秋60」を畑に移植して同じようにWネットで防虫&遮光をした。
そして「豊作祭」のひどい状態になった苗の中からキズが浅そうなものを選び出して数株を定植。

この2種がちゃんと育つかは大いに不安。
白菜は成長が遅れると葉が巻かないので、何度も蒔き直していると間に合わない。

仕方がない、市販苗に頼ろうとホームセンターに走った。
12~13センチほどに育った苗の4連ポットが258円で購入できた。
枯れ葉や穴あき葉も無くきれいにできていた。


郷秋60で1か所に2本植えしていたところから分けた苗を持ってくるなどでの補植もして、3畝半分の白菜を育てることになった。

お陰様で今のところだいたいきれいに生育中。

となると今度は23株もがほぼ同時に完成‥なんてことになるかも、どうする・・
あぁ 不安は尽きない。

・・ちょっと気になること
近所の数枚の畑のどこにも白菜が見えない、プロと思える畑にも無い・・
いつもなら、私のよりだいぶ大きいなどと不安とヤッカミも交えて観察しているところなのに。

まだ小さくて私のフシアナのような目には見えなく、やがてハチマキをした株がゴロゴロ見えてくるのだろうか?