特別な資材も特別な設備も不要で、その気になれば1日でできる温床。
目的は、サツマイモの芽を出させるために土の温度を上げること。
過去には畑にマルチをしたり、スチロール箱で温めた見たり、それを家の中でやったり・・と試したがものにならなかった。
去年栽培し美味しかったサツマイモを保存しておいたのでそれを使てやってみようと思い立ったのが3月3日。
僅か数日で土が暖かくなった
始める前の地温は計らなかったが、その時の気温は最低3~4℃、最高でも10℃あるかないか。今年はとくに低温ということだったが。
これが↓種としたサツマイモ四片を温めている床。
温床を作って1週間。
土の温度が32℃に上がった。
すごい!
簡単に言えば畑の隅に穴を掘って、そこに野菜くずを入れて米ぬかと土を混ぜてビニールで覆っただけ。
土穴の中で野菜のぬか漬けをしたのだ。
〈案ずるよりは生むが‥〉だったけれどはじめてのこと。
ここまでを記録しておこう。
野菜くずと糠で発酵土を作る
(3月3日)
温床は字のとおり、暖かい土で作る床。
土の温度を簡単に上げるには、土の表面にビニールを張っておけば日の当たる日中はかなり高温になる、が、夜間に冷えてしまうので30℃以上を保つのはそれでは無理だ。
そこで、糠を使った発酵熱を利用しようという訳。畑の一部を深さ30~40cmの糠床にしてしまおうという考え方。30cm下まで地温を上げれば夜間でも地表温度まで下がることは無いだろう。
ぬか床作りの手順
1、予め予定しておいた場所に、芋の芽が伸びてきた時を想像して必要な面積の穴を掘る。
参考にしたサイトでは深さ40cm位となっていたが、私は都合で30cm。
容量は1㎥にも満たない穴。
2、掘った穴の中に畑から出た野菜くずとヌカと土を混ぜ込む。
野菜くずの中の白菜やブロッコリーの根が重いので1度に全部混ぜることは難しく、3回ほどに分けてやった。
その際に生ヌカと共に既に発酵済みのぼかしも少し混ぜている。これは必須ではないが、いくらかは発酵が早くなるかと。
3、穴の中で糠と混ざった野菜くずを足でしっかりと踏み込む。
漬け物用のぬか床を掌でギュッギュッと押し付けて空気を抜いていく要領、という感じ。
その上に掘った時の土を掛けて、また糠をすこし振り、やはり軽く混ぜたら床の出来上がり。
4、床ができたら全体を覆うようにビニールをべた掛けし、周りを土で覆って固定。
取り合えず全体を覆う大きさがあればどんなビニールでもいいが、こんな時のためにちょっと大きめのビニールシートを普段から貯め込んでおいたのが役に立った。
5、そして更にもう1枚のビニールシートとアーチ状の支柱でテントを張る(1枚目の写真)。
以上で温床工作は完了。
わずか1週間で地温30℃に上がる
翌朝からはテント内が結露した。温度が上がってきていることの証だ。
1週間ほど経ったところで様子見。
テントとビニールシートの端をめくって土に触れてみると、オッあったかい!
これが発酵熱。
温度計を入れてみたら32℃。
やったね!
更に3日後には表面に灰色のカビ発生。
種芋の伏せこみ
(3月15日)
温かい床が準備できたら、さぁここに寝てもらおう。
小さ目の芋を丸ごと1個と半切りしたものを3個、計4か所に置いて発芽を待ちます。
(保存していた去年の芋は腐ってしまったので、改めてスーパーで食用を購入)
土を掛けてべた掛けのビニールとテントを戻して、じっと発芽を待つ。
6月には植付けたいが、間に合ってくれるだろうか・・
過去に「踏み込み温床」という言葉をどこかで見たか聞いたかした。
小屋のような装置をつくり、膨大な量の落ち葉を集めて・・という私にはちょっと敷居の高いものという印象だったのでやってみることにはならなかった。
畑から出た野菜の残渣と少々のこめ糠を主材料にして、寄せ集めの廃品でできるならやってみる価値あり。
自分でするサツマイモ苗作りは結局大幅に遅れて後に響いてしまう、ということはよく聞く。
だからこれでうまくいけば画期的。
ところで、漬物のぬか床はこんなに温度が上がる?
改めて気にして触ってみれば、暖かいと感じることがあった。
発酵熱というのは長時間保っている訳ではなく、発酵が終わればある程度のところで上昇は止まって後はまた常温に下がるので、ぬか床がいつも暖かいわけではない、ということの様。